「たま」とわたし 其の一

しばらくブログ放置していました。

答えは シンプル。

これを書きたい!という「突き上げられる衝動」が沸きおこらなかったから。

 

さて、そんな私に「突き上げられる衝動」が降りた。

今や知らない人が多いだろう、バンドの「たま」のライブDVDを、ひょんな事から入手した。最初から最後まで見て、言いようのないふわふわしたそれでいて頭を抱えるような感情が湧き上がった。

そこから、たまのことをネットで調べ動画を見まくる日々が続いている。

多分、いま、私はたまに「ハマっている」のだ。だから、この気持ちや、私なりにたまについて考えたことを残しておき、あわよくば誰かに伝えたいと思った次第だ。

 

ところで私は今年40歳になる。

たまのメジャーデビューは1990年。「さよなら人類」というアラフォー以上なら一度は聞いたことのある曲を引っさげて鮮烈デビューをした。

私は中学生だった。小学生までは光GENJIが好きで、わずかなおこずかいで雑誌を買っては切り抜きを下敷きに挟んでいた。しかし、中学一年のある日、音楽番組でたまを見て一瞬で虜になってしまった。

かーくんとか、あっくんとかの下敷きは、一瞬にしてキノコ頭やランニングのオジサンになった。

 

ちなみにだが、私はイカ天なる番組は見たことがなかった。私の実家は、東北のありえんほどの田舎で、当時はTVのチャンネル数も少なく、そんな番組はやっていなかったと思う。(もしかしたら深夜にやっていたかもだが、子供な私は見れなかった。)

何かしらの音楽番組でたまの音楽を聴き、その音楽に頭をひっぱたかれたような感覚になり、知久寿焼氏の目力に乙女心を打ち抜かれた。

そこから、たま中心の生活が始まった。

TVを録画し、出ている雑誌は片っ端から買った。中学生で宝島を買うのは勇気がいる行動だった。親にはエッチなページは見てないと言い張った。(見てたけど。でも当時はエッチなページは一部だった。余談だが、宝島でいとうせいこうとかみうらじゅんとかを知り、その非凡さにも憧れた)

CDを買い、 VHSを買い、家の中では常にたまの音楽、TVはたまだらけで、親が何度かキレた。「気持ちの悪いオッさんだべ」と何度も言われた。

 

学校のクラスでもたまファンは何人かいた。

心強かったのは、友達の少ない私の唯一の親友もたまファンになってくれた。親友はGさんのファンだった。

私は知久さんファン。他の女子達もGさん、ヤナさんとそれぞれファンがいた。石川さんファンはいなかった。。。

今にして見るとくだらないが、どのメンバーがいいかというファン同士の言い合いあった気がする。クラスのボス的女子がヤナさんファンだったので、最終的にそこに譲るのだが…。

そういえば、各ファン層の色みたいなのがあった。

ヤナさんファンは、割とミーハーで派手系女子。

Gさんファンは、芸術系オシャレ女子。

知久さんファンは、コミュ症変わり者。←わたし。。。

異論はあると思います(笑)

知久さんファンの私でしたが、ヤナさんに浮気したこともあった。ヤナさん痩せて一時めちゃくちゃカッコよくなった時期があった。セクシーというか。

うっかり、ヤナさんファンのボス女子の前で、ヤナさんも好きみたいなことを言ったら睨まれシカトされた。それ以来口が裂けても言わないようにし、浮気心はそっと心の奥に閉まった。

 

そんな感じで、多感な中学時代はたまとともに過ごし、たまの存在が彼氏のようでもあった。

 

でも時代とともに私の中からたまの存在が薄れていった。

 

風の噂で、柳原さん脱退とたまの解散を知った。

スピッツ大黒摩季椎名林檎矢井田瞳安藤裕子をよく聴いた。

大きな声では言えないが、吉幾三も好きだ。

近年は劇団四季が好きになった。ミュージカルの秀逸なハモリ、迫力がゾクゾクとたまらない。

 

知久さん声が時々TVから聞こえてくることは感じていた。CMやちびまるこで。

 

30後半で子供ができた。

子供と一緒にEテレを見るようになると、知久さんの歌声に触れる機会が急に増えた。

 

私はとある施設で勤務していたが、退職することになり、餞別に患者さん達がキャッチボールなどできる「野球セット」を購入しょうとAmazon覗いた。「野球」で検索をしたところに場違いなものが引っかかった。

それが「たま 野球」のDVDだった。

 

懐かしさからカートに入れた。

でも購入したのはその2ヶ月後。購入するか考えていたんだと思う。

 

届いてからも2週間くらい放置していた。ちょっと恥ずかしさもあり、家族の居ない隙を狙っていたのもあるが、視聴するモチベーションが高まらなかったのもある。

 

旦那と子供が外出することがあり、せっかく買ったしと観てみた。

冒頭の牛小屋でやられた。

柳原さんはこんなに歌が上手かったのか!

いっきにたまワールドに引き込まれた。

どんどん聴いていく。たまが人生だった中学時代の自分が蘇る。

懐かしさは、まるで初恋人に再会したような感覚。

それだけではなく、当時は分からなかったが、楽曲の素晴らしさと巧みな演奏技術。

音楽には疎いわたしだが、それでもわかる。

細かいところまで複雑なアレンジがされている。

主旋律に対する他パートの音の膨らまし方?がすごい。知久さんギターテクや、石川さんのリズム感。滝本さんのベースのグルーヴ感、柳原さんの安定した演奏技術と歌唱力、そして美しいハーモニー。

 

え。。。

 

バンドとして超うまいじゃん。

アイドル的にファンだった自分を恥ずかしくすら思った。

 

しばらく数日はぼーっとした気持ちで過ごした。

昔好きだった人に再会して、やっぱ好きだと再認識したような…。

ももう会えないのかも知れない(4たま)。

本当はとっても素晴らしいのに、気づいてあげられなかった自分(何様だよ!)

 

楽しい寂しい嬉しい悲しい気持ちはいつでもとっても不安定な日々を送っている。

これは恋なのかも知れないと馬鹿なことを思いつつ…。

 

今までたまを放置していたことを懺悔するかのように、今わたしはネットでたまの情報を調べ、動画を観る日々が続いている。(いい時代になったものだ)

 

それらを観ての感想や考察なりは次回以降に順々に書いていこうと思う。